「t-フラバノン」の育毛効果はTGF-β1の抑制にある!

花王株式会社によって、独自に開発された「t-フラバノン」の育毛効果についての記事です。
サクセス育毛トニックやバイタルチャージは、髪の効きそうといったイメージがありますが、主要成分であるt-フラバノンには、具体的にどのような働きがあるのでしょうか?
t-フラバノンとは?
花王は「西洋オトギリソウエキス」に、毛母細胞の増殖促進作用があることを発見。増殖促進作用をもつ物質は、エキスに含まれる「アスチルビン」と断定。
アスチルビンをもとに開発された育毛成分が、「t-フラバノン(トランス-3,4’-ジメチル-3-ヒドロキシフラバノン)」です。
t-フラバノンの育毛効果!
AGA(男性型脱毛症)は悪玉ホルモンDHTの働きにより、髪の成長が阻害されて起こるといわれています。その阻害要因の一つが、毛乳頭細胞から生成される「TGF-β」という増殖因子。
TGF-βは、アポトーシス(細胞の死)を引き起こしたり、毛母細胞の分裂を抑制したりしてしまう。その結果、ヘアサイクルが乱れて髪が育ちきる前に抜け落ちてしまうので、細く弱々しい毛髪になってしまいます。
花王の研究結果によれば、t-フラバノンにはTGF-βの活性化を抑える働きがあるそうです。
t-フラバノンの研究結果!
花王の研究結果によると、t-フラバノンには髪の成長促進や細胞増殖、接着促進の3つの育毛効果を確認しています。
髪の成長促進効果
皮膚からとりだした毛根に、t-フラバノンの添加と無添加の比較試験を行ったところ、72時間後に毛の成長に2倍近くの差が出た。
細胞増殖効果
毛母細胞の増殖試験でも、t-フラバノンを添加したほうが、72時間後に毛母細胞が2倍に増殖していることを確認。
接着促進効果
毛髪が簡単に抜けないのは、皮膚と毛髪の間に接着分子というものがあるからですが、t-フラバノンを添加することにより、接着分子の出現量が2倍以上になることが、比較試験で明らかになっています。
髪の成長期をのばすことができるので、髪が太く育つ効果と抜け毛を減少させる効果がt-フラバノンにはあるようです。
育毛・発毛効果はミノキシジルより劣る!
日本皮膚科学会が発表しているAGA診療のガイドラインでは、t-フラバノンはC1という判定。これはA判定を受けている「ミノキシジル」や「フィナステリド」よりも、2段階ひくい評価。
資生堂の育毛剤に使われている成分の「アデノシン」も同じC1の評価で、『用いてもよいが十分な根拠がない』と分類されるレベルです。
ただ、このガイドラインは2010年に作成されたものなので、その後研究が進み、レベルが上がっている可能性もあります。
最後に!
t-フラバノン配合の育毛剤は、発毛を促すほどのパワーを持ち合わせていないので、現時点では抜け毛抑止くらいに考えた方が良さそうです。
今後もっとt-フラバノンの研究が進み、発毛効果が期待できる成分に昇格することを願いたいですね!
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